補強土壁工法に用いる盛土材の土質試験業務

当社では補強土壁工法に用いる盛土材の土質試験を行い,現地発生の盛土材が補強土壁工法に使用出来るか否かの判断,及び設計土質定数(φ,c,γ)の提案を行います。また,現地発生土が使用できない場合,対策工として盛土材にセメント系固化材(もしくは石灰系固化材)を添加・混合した改良土として使用することがあります。当社では改良土で施工する場合の固化材添加量,現場での管理強度を土質試験で求め,施工法・管理方法を含めた総合的な提案を致します。 ここでは補強土壁工法に用いる盛土材土質試験の種類,土質試験の重要性,盛土材採取時の注意事項,改良する場合の土質試験の種類等について述べることにします。

補強土壁工法に用いる盛土材土質試験の種類

補強土壁工法に用いる盛土材土質試験の種類を表-1に示します。

表-1盛土材の土質試験

項目 土質試験項目 試験法 重要度 備考
物理的性質の試験 土粒子の密度試験 JIS A 1202 盛土材の分類及び使用できるか否かを判断するための資料
含水比試験 JIS A 1203
粒度試験 JIS A 1204
液性限界・塑性限界試験 JIS A 1205
力学的性質の試験 突固めによる締固め試験 JIS A 1210 施工管理用資料
三軸圧縮試験 地盤工学会基準 設計定数の測定
科学的性質の試験 pH試験 地盤工学会基準 補強材の耐久性資料
比抵抗試験  
塩化物・硫化物含有試験  
耐久性試験 岩のスレーキング試験 KODAN110 脆弱岩に対して
注)  ◎:必ず実施しなければならない試験
  ○:規模が大きい場合には必ず実施しなければならない試験
  △:必要に応じて実施する試験

補強土壁工法における盛土材土質試験の重要性

補強土壁工法や補強盛土の設計・施工を行うにあたっては盛土材の土質に関する調査が非常に重要です。その理由を以下に示します。

  1. 補強土壁工法や補強盛土は通常の盛土や擁壁などの土構造物に比べて,急勾配,大規模な構造物となることが多い。通常の盛土や擁壁などの従来の土構造物より,適用範囲の広がった補強土壁工法の設計・施工においては,経験や実績に過度に頼らず,現地の状況を適切に把握し,定量的な検討を行っていくことが重要である。
  2. 構造物が大規模化した場合,土質定数の適格な把握は経済性の点でも重要である。特に盛土材の土質定数については事前の設計・計画の段階では試験の実施が困難なため,一般に簡便な推定値を用いて設計される場合が多いが,補強材配置の支配的要因となることも多く,設計定数を試験により求めることにより合理的な設計を心がけるべきである。

特にジオテキスタイルを用いた補強土においては,「ジオテキスタイルを用いた補強土の設計・施工マニュアル改訂版(平成12年2月)」において,土質試験の結果を基に設定することを条件に,「補強土壁工法の内的安定検討では盛土材の粘着力cを最大10kN/m2まで考慮できる」と述べられています。

ここで,内部摩擦角φ=30°,γ=19kN/m3の盛土材において,粘着力cを考慮しない場合とc=10kN/m2考慮した場合の壁高別土圧合力を比較し,計算結果を図-1に示します。

図-1 壁高別土圧合力の比較(上載盛土なし)

図より,粘着力を考慮した場合の土圧が考慮しない場合よりも大きく減少し,合理的な設計が可能であることがわかります。

土質試験用盛土材を採取する時の注意事項

補強土壁工法に使用する盛土材の土質試験を行い,使用の可否や設計土質定数を求めるわけですが,現場で盛土材を採取する場合の注意すべき事項があります。

これらの注意事項を守らないと,正しい試験結果が出なかったり,試験ができない場合が生じるので厳守する必要があります。盛土材を採取する時の注意事項を以下に示します。

  1. 実際に補強土壁工法に使用する盛土材を採取する。
    :実際に使用する盛土材と試験する盛土材が違っていれば,試験結果はまったく無用となる。施工者に確認のうえ,盛土材を採取するのが望ましい。
  2. 地表の浅いところから盛土材を採取する時は,ごく表面の土は除き,その下の土を採取する。また,長期間乾燥した後や降雨後の採取はできるだけ避けるのが望ましい。
  3. 採取した盛土材は,含水量が変化しないように,ビニール袋などに入れて袋に残っている空気を追い出して密封し,試験室に搬入する。
  4. 盛土材の採取量は,試験内容や粒径により異なるので注意する。試験を1回実施するために必要な土の採取量を以下に示す。
    ・粒度試験,含水比試験 → 土のう袋に8分目程度が1袋
    ・上記試験+締固め,三軸圧縮試験 → 土のう袋に8分目以上が2袋

改良する場合の土質試験

現地発生盛土材に固化材を添加した改良土として使用する場合は,以下に示す土質試験を行う必要があります。

  1. 改良土の三軸圧縮試験(UU)
  2. 改良土の一軸圧縮試験

なお,上記試験は固化材添加量を40kg/m3,70kg/m3,100kg/m3(一例)の3種類の供試体で行い,材令は標準7日とします。

土質試験業務一覧

試験項目 摘要
土粒子の密度試験 JIS A 1202
含水比試験 JIS A 1203
粒度試験 沈降分析 JIS A 1204
ふるい分析
液性限界試験 JIS A 1205
塑性限界試験 JIS A 1205
一軸圧縮試験 原土 JIS A 1216
改良土 JIS A 1216, 供試体作成費及び固化材配合費含む
三軸圧縮試験 原土 UU 供試体作成費含む
CD
CUφ50mm
CUφ50mm
改良土 UU 供試体作成費及び固化材配合費含む
締固め試験 呼び名:A モールド10cm,ランマー2.5kg,許容最大粒径 19mm
呼び名:B モールド15cm,ランマー2.5kg,許容最大粒径 37.5mm
呼び名:E モールド15cm,ランマー4.5kg,許容最大粒径 37.5mm
pH試験  
岩のスレーキング試験 乾湿繰返し(5サイクル)
硫化物含有量試験  
塩化物含有量試験  
比電気抵抗試験  
六価クロム溶出試験  
報告書まとめ  
注)  試験費用はお問合せください。

 

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