Q.23 計算上のすべり線

(更新日:2016年1月12日)

 補強土壁工法の設計に用いる計算上のすべり線と,設計法による違いについて教えてください。

A.23

補強材の長さを算出する場合,補強土壁盛土内のすべり線を考慮し,補強材が受持つ土圧力に対して,すべり線より後方にある補強材に働く引抜き抵抗力により,壁面を垂直もしくは垂直に近い状態に保持すると考えている。代表的設計法を用いる3工法の計算上のすべり線を表-1,図-1に示す。

 

表-1 代表的工法における計算上のすべり線

 

図-1 計算上のすべり線形状

 

特徴をまとめると次のようになる。

  1. 代表的な設計法を用いる3工法における計算上のすべり線は大きく異なる。
  2. 大別すると,テールアルメ工法や多数アンカー工法のようにすべり線を1つに固定する方法と,ジオテキスタイルを用いた補強土壁工法のようにすべり線を固定せず,すべり線を変動させる方法に分類できる。
  3. テールアルメ工法のすべり線は,補強材の計測結果から求められた2直線を採用し,多数アンカー工法のすべり線は,主働崩壊線(直線)を採用している。また,ジオテキスタイルを用いた補強土壁工法のすべり線は,考えられるあらゆる円弧すべり線を採用している。

 

 

 

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一口に補強土壁工法といいましても,数多くの種類(30工法程度)があり,各々の工法が持つ特性も異なっています。

さらに設計法についても統一したものがなく,各工法により異なった手法を採用しているのが現状です。

このような状況において,現地に適した補強土壁工法を選定するためには,各工法の特性と現場における各種条件を整理して,十分検討する必要があります。(参考:工法選定の問題点と正しい選定法

弊社では,各工法で同一の条件を用いた設計計算を基に,経済性だけでなく,安定性や耐久性についても充分に配慮した選定を行なっております。

公正公平な比較検討を行なうことにより,コンプライアンスに対応した成果品をお届けいたします。

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