Q.33 軽量盛土材を使用した補強土壁工法(2/2)

(更新日:2009年2月2日)

 補強土壁工法と軽量盛土材の組合せ例,補強土壁工法の盛土材に軽量盛土材を使用する場合の留意点について教えてください。

A.33

(1) 補強土壁工法と軽量盛土材の組合せ例

補強土壁工法の盛土材に軽量盛土材を使用した実績から,両者の組合せ例を 表-1に示す。

表-1

軽量盛土材 補強土壁工法 説明
EPS 鋼製枠壁面材+ジオテキスタイル補強材 壁面背後の植生土以外はEPSを使用。壁面緑化が可能。非常に軽量な盛土体が構築できる。
コンクリートパネル壁面材+帯鋼補強材 EPSと通常の盛土材を互層にして構築。平均湿潤密度は1.15g/cm3程度。
気泡混合軽量土 コンクリートパネル壁面材+帯鋼補強材 壁面材を型枠として利用。補強材は壁面材を定着させるだけで非常に短い。
水砕スラグ 鋼製枠壁面材+ジオテキスタイル補強材 通常の盛土材と同様に施工可能。あらゆる補強土壁工法に対応可能。
コンクリートパネル壁面材+帯鋼補強材
クリンカアッシュ
(石炭灰)
コンクリートパネル壁面材+帯鋼補強材 通常の盛土材と同様に施工可能。あらゆる補強土壁工法に対応可能。
スーパーソル
(発泡廃ガラス)
コンクリートパネル壁面材+帯鋼補強材,アンカープレート補強材 通常の盛土材と同様に施工可能。あらゆる補強土壁工法に対応可能。

写真-1 軽量盛土材(スーパーソル)を使用した補強土壁の施工例

 

(2) 補強土壁工法の盛土材に軽量盛土材を使用する場合の留意点

補強土壁工法の盛土材に軽量盛土材を使用すると,両者の特性が発揮されて,軽量でかつ多少の沈下にも追随できる垂直盛土や垂直に近い盛土を構築することができる。特に基礎地盤の改良が困難な厚い軟弱層上の盛土や,地すべり地上の盛土等に使用される場合が多い。ここではこれらの使用する場合の留意点について述べる。

  1. 超軽量盛土材を使用する場合には壁面材を限定する必要がある。
     EPSのように通常の盛土材の1/100程度の重量しかない盛土材を使用する場合に,コンクリート壁面材のように重い壁面材を使用すると,壁面直下の荷重と盛土部の荷重が極端に異なるため不具合が生じる可能性がある。このような場合には,鋼製枠のように軽量な壁面材を使用するのが望ましい。
  2. 軽量盛土材には地域により入手できないものもあるので注意が必要。
     水砕スラグは製鉄所で生産されるため,一般的にはその近辺でしか入手できない。また,石炭灰は火力発電所で生産されるため,一般的にその近辺でしか入手できない。さらに発泡廃ガラス材はそれを生産している工場がまだ数少ないので工場の近辺でしか入手できない。
     以上より,水砕スラグ,石炭灰,発泡廃ガラス材を使用する場合には事前に入手できるか否かを調査しておく必要がある。
  3. 経済性比較は必ず実施する必要がある。
     軽量盛土材は,その重量が大きく異なるとともに,その価格も大きく異なる。軽量盛土材が現地条件を満足する特性を有することは当然であるが,使用する軽量盛土材により,工事費も大きく異なるので経済性の比較は非常に重要である。

 

 ・軽量盛土材の種類と特性

軽量盛土材には,軽量材そのものを土に置換えて使用するものと,土に軽量材を混合して土自身の単位体積重量を小さくするものに大別できる。表-1に軽量盛土材の種類と特性を示す。

表-1 軽量盛土工法の種類と特性

 

 

 

 

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