Q.35 壁面材の種類と特性

(更新日:2009年3月3日)

 壁面材にはどのような種類がありますか。また,それぞれどのような特性をもっていますか。

A.35

現在,国内で使用されている代表的な壁面材には次の4種類がある。

 コンクリートパネル

 コンクリートブロック

 現場打ちコンクリート

 鋼製枠

表-1 代表的な壁面材の特性

壁面材 特性 問題点及び対策
コンクリート
パネル
・外観上安定感があるため,都市部での重要構造物に使用される。
・壁面勾配は通常垂直。
・盛土材の圧縮沈下が大きくなると,壁面材と補強材の連結部に局部応力が発生する。
・対策としては,盛土材に圧縮性の小さい良質土を使用するか,壁面材と補強材の連結部をスライド可能にする。
コンクリート
ブロック
・外観上の見栄えがよく,公園や学校などの土地造成に使用される。
・壁面勾配は垂直~1:0.1程度。
・コンクリートパネルと同様
現場打ち
コンクリート
・最初仮設的な壁面で構築し,盛土が安定した状態で現場打ちコンクリートを打設するので,盛土に圧縮性大きな粘性土なども適用できる。 ・他工法よりも施工工程が多いため施工性は劣る。
鋼製枠 ・外観上安定感に乏しく,都市部での重要構造物としては使用されにくい。
・壁面緑化が可能であり,郊外の農道や林道に多く使用される。
・壁面勾配は緑化のために,多少の傾斜(1:0.2~1:0.5)が必要。
・耐久性はコンクリート製より劣る。
・盛土材の圧縮沈下が大きくなると,壁面の鉛直変形が大きくなり,場合により壁面座屈が発生する場合がある。
・対策として,盛土材の圧縮に伴い壁面材自体がスライドできるようにする。

従来,補強土壁工法の壁面材は盛土材のこぼれ出しを防止するもので,土圧は作用しないものと考えられていた。しかし,壁面剛性の違いにより崩壊時のすべり形状や補強効果が異なることがわかってきている。ただし,実際の設計においては壁面材を考慮した設計は行われていないのが現状であり,外観上の見栄えから決定している場合が多い。

(補強土壁の問題点)

壁面材の変位が大きいために,施工完了後に外観上の問題が発生
何故???
補強土壁工が補強効果を発揮するためにはある程度の変形が必要
変形って???
壁面材の変位には,水平変位と鉛直変位がある。
 水平変位:使用する盛土材や補強材により影響を受けると考えられているが,まだ定量的には把握されていない。
 鉛直変位:盛土材の圧縮沈下に影響を受けると考えられる。
圧縮沈下が大きくなったら
どうなる???
 コンクリートパネルやコンクリートブロックでは,壁面材と補強材との連結部に変位が生じ,設計では考慮していない応力が発生する。
 鋼製枠では,壁面材自体の圧縮変形が大きくなり,場合によっては壁面の座屈が生じる。

図-1 盛土材の圧縮沈下が大きい場合の補強土壁

どうすればよいのですか???
 盛土材に圧縮性の少ない良質土を使用する。
 圧縮性の大きな盛土材を使用する場合には,コンクリートパネルにおいては,壁面材と補強材との連結部が盛土材の圧縮に伴い上下にスライドできる構造が必要となり,鋼製枠では壁面自体がスライドできる構造が必要となる。

 

 

 

 

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補強土壁工法とは,壁面材,補強材,及び盛土材を主要部材とした擁壁の1つです。

一口に補強土壁工法といいましても,数多くの種類(30工法程度)があり,各々の工法が持つ特性も異なっています。

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