Q.42 盛土材転圧時の注意点

(更新日:2009年7月8日)

 盛土材を転圧する時の注意すべき点にはどのようなものがありますか?

A.42

補強土壁は土構造物であり,土のせん断強度,及び補強材との間に発生する引抜き抵抗力によって安定を保つ工法である。したがって,現場での締固め作業は補強土壁の安定性に大きく影響する重要な作業である。ここでは現場で用いる締固め機械の選定と締固め作業における留意点について述べる。

 

(1) 締固め機械の選定

締固め機械は盛土材の土質,工種,工事規模等の施工条件と締固め機械の特性を考慮して選定するが,特に土質条件が選定上の重要なポイントである。表-1に締固め機械選定の一応の目安を示す。

 

(2) 締固め作業における留意点

  1. 締固め作業においては,FAQ41の(3)で述べた施工機械走行に関する5項目の原則を守り,壁面変位を極力抑えることが重要である。
  2. 壁面直近の1.0~1.5mの範囲は,小型振動ローラーや振動コンパクター等の軽量な機械を用いて入念に締固めなければならない。
  3. 締固め面は,補強材との不陸が生じないよう,平滑に仕上げるものとする。
  4. 壁面際や補強材取付け部等の下面は,締固め不足になりやすいので,小型の締固め機械や突き棒等で入念に施工する。
  5. 1日の作業はその日のうちに予定している締固め作業が完了できるように計画する。また,施工中に降雨が予想される場合は,締固め機械,土運搬機械のわだち跡が残らないように,作用終了後にローラー等でできるだけなめらかな表面にし,排水を良好にして,雨水の土中への侵入を最小限に防ぐようにする。雨水の浸透防止をはかるために,シート等で締固め面を被覆して保護することもある。

 

表-1 締固め機械選定の目安(「道路土工-施工指針」より)

 

 

図-1 締固め機械の種類と写真

 

 

 

 

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