Q.53 法律上の制約

(更新日:2017年1月10日)

 補強土壁工法を設計・施工する場合,法律上の制約にはどのようなものがありますか?また,補強土壁工法は宅地造成工事にも使用できますか?

A.53

補強土壁工法を土地造成の土留め壁として使用する場合,法律上の制約があるので注意が必要である。

すなわち土地造成の土留め壁として使用する場合,都市計画法,建築基準法,宅地造成規制法等の法規制を厳守する必要がある。補強土壁工法に関連した規制内容を以下に示す。

 

(1) 宅地のように造成地が個人の所有となる場合などは,将来の維持管理上の問題があるため,補強土壁工法は原則的に使用できない。

(2) 都市計画区域内で補強土壁を使用する場合,本工法による盛土上に建築物等が設置されない道路・公園・運動場ならびにこれに準ずる施設について,地方公共団体もしくはこれと同程度の恒久的維持管理が期待できる者により管理されることとなるものに限り,その使用を認めるなど,慎重に対処すべきである。

(3) 宅地造成工事規制区域内において行われる造成工事の擁壁としては,補強土壁ではテールアルメ工法のみ使用できる。ただし,テールアルメ背後の土地の用途及び利用には次のような制限があるので注意する必要がある。なお,ここでは宅地認定擁壁として,「テールアルメ擁壁」という名称を使用しているので以下でも使用する。

a) 設置場所

テールアルメ擁壁の管理者が地方公共団体またはこれに準ずる機関であるか,または土地利用計画が地区計画(都市計画法)等によって保全されていること。

 

注) 壁前面の地表面とコンクリート壁面材の交点を起点として,水平面に対して30°の勾配を有する線と,擁壁頂部の地表面との交点位置における円直面とコンクリート面に挟まれた範囲

図-1 擁壁範囲

 

b) 土地の利用制限

擁壁範囲の用途は下記の範囲内に限定される。

  1. 土地造成(住宅団地,工業団地,各種学校,病院,ホテル,マンション,通信施設,ごみ処分場,ごみ焼却場,火葬場,資材置場,遊園地,多目的公園,へリポート,老人ホーム,保養所および墓地等)における,次の用途。
     ・道路(道路法の適用を受けるもの)
     ・私道(一戸建住宅用を除く)
     ・駐車場,駐輪場(一戸建住宅用除く)
     ・緑地
     ・沈砂池(水圧の影響ある範囲を除く)
     ・調整池および調節池(水圧の影響ある範囲を除く)
     ・防音堤(水圧の影響ある範囲を除く)
  2. 競技施設の造成(テニスコート,サッカー場,スキー場,ゴルフ場,陸上競技場,野球場,競馬場,競輪場,オートレース場およびその他競技施設等)における,次の用途。
     ・プレイグラウンド
     ・緑地
     ・場内道路
     ・駐車場
  3. 自動車教習場の造成における,次の用途。
     ・自動車練習コース
     ・緑地
     ・場内道路
     ・駐車場
  4. 商業および産業施設の造成工事(マーケット,博物館,美術館,車両基地,操車場(電車)および工場等)の造成工事における,次の用途。
     ・貯炭場
     ・緑地
     ・場内道路
     ・駐車場
  5. 自動車テストコースの造成における,次の用途。
     ・テストコース

 

c) 土地の利用制限

補強材であるストリップ直上範囲には,建築物・工作物は構築できない。ただし,仮設構造物及び軽微な工作物(フェンス,仮設ハウス,ガードレール,電柱,ベンチ等)で基礎掘削を伴う場合は,掘削深さが最上段ストリップ上面より70cm以上確保されているものは除く。

 

図-2 テールアルメ擁壁のストリップ直上範囲

 

図-3 基礎掘削の範囲

 

※FAQ 「Q.11宅地造成で使用する補強土壁」も合わせて参考にしてください。

 

 

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