Q.56 補強材の引抜き抵抗力

(更新日:2010年4月19日)

 主要な補強材に発生する引抜き抵抗力と,その違いについて教えてください。

A.56

補強土壁における補強材は、盛土材との間に発生する引抜き抵抗力により盛土補強の効果を発揮する。補強材の引抜き抵抗力は,補強材の種類により補強方式が異なり算出法も異なる。

ここでは代表的な補強材(ジオテキスタイル,帯鋼,アンカープレート及びタイバー,格子状鉄筋)の引抜き抵抗力の大きさを比較することにする。

なお,同一条件で比較するためのすべての補強材を摩擦抵抗方式による面状補強材と考えて単位幅当りの有効引抜き抵抗力に換算した値を算出する。算出条件を以下に示す。

  1. 使用する盛土材は内部摩擦角φ=30°,粘着力c=0kN/m2とする。
  2. 引抜きに対する安全率は補強材の種類によって異なるので,同一条件で比較するために,引抜きに対する安全率を考慮した有効引抜き抵抗力として算出する。
  3. 引抜き抵抗力は各種工法の設計手法にしたがって算出する。

 

表-1に各補強材の有効引抜き抵抗力を示す。

 

面状補強材の単位幅あたりの有効引抜き抵抗力(R/Fs)は次のように示させる。

ここで, R:補強材に働く単位幅あたりの引抜き抵抗力
  Fs:引抜きに対する安全率
  C*,φ*:補強材と盛土材との間に働く見かけの粘着力と見かけの摩擦角
  LE:補強材の定着長で,すべり面より後方の補強材長さ(m)

また,補強材の敷設条件を一定にして盛土材の内部摩擦角φを変化させた場合の有効引抜き抵抗力を表-2に示す。更に表-2において盛土材の内部摩擦角φが30°の場合における補強材定着長と有効引抜き抵抗力との関係を図-1に示す。

 

表-1 各種補強材の単位幅当り有効引抜き抵抗力(1)(盛土材:φ=30°)

 

表-2 各種補強材の単位幅当り有効引抜き抵抗力(2)

 

図-1 補強材の定着長と有効引抜き抵抗力の関係(φ=30°の場合)

 

以上より次のことが分かる。

  1. ジオテキスタイル,帯鋼(ストリップ),及び格子状鉄筋のように線状で定着する補強材に働く有効引抜き抵抗力は定着長Leに比例するが,アンカープレート及びタイバーのように末端部で定着する補強材に働く有効引抜き抵抗力はLeに関係なく一定である。
  2. 線状で定着している補強材を同一条件で比較すると,ジオテキスタイル,格子状鉄筋,帯鋼(ストリップ)の順に有効引抜き抵抗力は小さくなり,その結果必要定着長は長くなる。
  3. 線状で定着している補強材は,盛土材の内部摩擦角φが大きいほど,必要定着長は短くなるが,末端部で定着している補強材の場合はφに関係なく必要定着長は一定である。

 

 

 

 

facebookページ更新中です。いいね!で最新の補強土情報をお届けします。

 


補強土壁と基礎地盤対策と切土斜面対策を一括で検討したい場合など、幅広い検討ができます。ご相談ください。

 

補強土壁工法形式比較検討業務のご案内

公正公平な比較検討 コンプライアンス対応 補強土壁工法形式比較検討業務

 

補強土壁工法とは,壁面材,補強材,及び盛土材を主要部材とした擁壁の1つです。

一口に補強土壁工法といいましても,数多くの種類(30工法程度)があり,各々の工法が持つ特性も異なっています。

さらに設計法についても統一したものがなく,各工法により異なった手法を採用しているのが現状です。

このような状況において,現地に適した補強土壁工法を選定するためには,各工法の特性と現場における各種条件を整理して,十分検討する必要があります。(参考:工法選定の問題点と正しい選定法

弊社では,各工法で同一の条件を用いた設計計算を基に,経済性だけでなく,安定性や耐久性についても充分に配慮した選定を行なっております。

公正公平な比較検討を行なうことにより,コンプライアンスに対応した成果品をお届けいたします。

【取扱工法】 テールアルメスーパーテールアルメ多数アンカーTUSSアデムウォールRRRジオパネルジオブロックレコウォール緑化テールアルメワイヤーウォールテンサーアデムE-グリッドセルフォースコスモグリッドテンロン

成果品の一例

成果品一式

・ 補強土壁工法比較表(A3版)

・ 各工法ごとの横断面図(A3版)

・ 補強土壁工法形式比較検討書(A4版)

・ 各工法ごとの断面設計計算書(A4版)

・ 各工法ごとの概算工事費計算書(A4版)

工法比較表

 

見積依頼・業務依頼・お問合せはこちら

他にも補強土壁と軽量盛土のあらゆるご提案ができます。

検討条件により別途お見積もりさせていただきます。

 

業務手順

工法選定条件確認

比較形式の選定

工法の絞込み
選定条件と工法特性により,工法を絞込みます。

計算図面工事費算出
工法の設計計算,横断面図を作成し,工事費を算出します。

比較表作成
あらゆる項目に対して検討し,比較表を作成します。

工法選定・検討書作成
最終的な工法を選定し,検討書を作成します。

成果品の送付

 

設計見積もり・業務依頼・お問合せ

設計業務の見積り・業務依頼お待ちしております。お気軽にお問合せください。電話番号06-6536-6711ホームページを見たと一言お伝えください。

メールフォーム

必須種別

セールスや勧誘は一切お断り致します。
必須会社名
部署名
役職名
必須ご担当者名
 (姓)  (名)
必須フリガナ
(セイ) (メイ)
必須ご住所
(例:5500005)
 
 (例:大阪府大阪市西区西本町1-6-6カーニープレイス西本町ビル6F)
必須メールアドレス

必須電話番号
FAX番号
お問合せ内容
工法名   種別
アンケート
必須Q1.設計ではどのような実務を担当されていますか?

必須Q2.弊社をお知りになったきっかけを教えてください。

必須Q3.補強土壁の設計業務の頻度はどの程度ですか?
Q4.補強土壁設計において何が一番知りたいですか?
必須Q5.弊社の支援業務で軽量盛土,斜面補強,地盤技術業務があるのをご存知でしょうか?

コメント
必須Q6.ご依頼主様の年代を教えてください。
Q7.よろしければお客様のご意見・ご感想をお聞かせください。
ご請求いただく資料の用途,こんな資料があればなどの要望,ホームページの印象など,どんなことでも結構です。
カレッジREECOMへの同時入会(無料)

カレッジREECOMとは
  共に補強土について学びませんか?
定期的に情報をお届けいたします。
<ご入会特典>
・「REECOMテキスト」とを定期的に無料送付
・ 会員ページでバックナンバーの閲覧

 

 

 

 

お問合せ先

他にも補強土壁,軽量盛土,斜面補強,地盤技術のあらゆるご提案ができます。

検討条件により別途お見積もりさせていただきますので是非お問合せください。

TEL: 06-6536-6711 / FAX: 06-6536-6713 設計部宛

技術資料無料配布

補強土壁・軽量盛土工法技術資料ファイル
「補強土壁・軽量盛土工法技術資料ファイル」無料配布中!
技術資料と会社案内を1冊のファイルにまとめ,お手元に置いて頂きやすいようにしました。R5年7月会社案内カタログ刷新!きっと業務のお役に立つと思います。

公正公平な比較検討
補強土壁工法選定業務
軽量盛土工法選定業務
Dr.小川の相談窓口

書籍のご案内

カレッジREECOM
カレッジREECOMは技術の公平な視点を共有・育む場です。皆様の問題解決,リスク回避のために是非ご入会ください。
REECOMのfacebookページ

会社案内

お問合せ/資料請求

業務内容

活動報告

技術情報

その他

4024977

補強土エンジニアリング > 技術情報 > 補強土壁工法FAQ > Q.56 補強材の引抜き抵抗力