液性限界・塑性限界試験(コンシステンシー試験)

(更新日:2012年5月29日)

■土のコンシステンシーとは,

土の変形の難易を表した言葉で,一般には外力による変形,流動による抵抗の度合いをいう。土のコンシステンシーは含水比に左右され,含水比が減少するにつれて土は液性体,塑性体,半固体,固体へと状態が変化する。それぞれの状態の境界の含水比をそれぞれ液性限界wL,塑性限界wP,収縮限界wS と定義されている。

  1. 液性限界wL:土が塑性体として最小のせん断強さを示す状態にあるときの含水比
  2. 塑性限界wP:土が含水比の減少によって脆くなり,力を加えると亀裂を生じやすく,自由に変形しがたくなるときの含水比
  3. 収縮限界wS:土の含水比をある量以下に減じても体積が減少しない状態にあるときの含水比
  4. 塑性指数IP:液性限界と塑性限界の差(IP=wL-wP)をいい,塑性の度合いを示す。
               塑性状態の含水比の幅が大きい土ほど塑性指数が大きい。

図-1 土のコンシステンシー限界

■液性限界試験:試料を入れた黄銅皿を1cm の高さから1 秒間に2 回の割合で落下させ,二分した溝の底部が長さ1.5cm にわたり合流するとき落下回数を記録する。落下回数が25~35 回のものを3 個,10~25 回のものを3 個行う。試験結果より,落下回数が25 回の時の含水比を求める。

■塑性限界試験:液性限界試験で用いた同じ資料の塊を,ガラス板上で手のひらで転がしながら直径3mm にした時,ちょうど切れぎれになるときの含水比を求める。

図-2 液性限界試験 図-3 塑性限界試験

■試験結果の利用

  1. 粘土などの細粒土では,高有機質土(ピートなど)を除く細粒土の分類はコンシステンシー特性にもとづく塑性図上の位置によって行う。
  2. 塑性指数(IP)は,一般に高いほど吸水による強度低下が著しいと言われており,路盤材などとしての良否を判定する重要な要素となる。
  3. 自然含水比(wn)と液性限界(wL)の相対関係からトラフィカビリティが判定できる。
  4. コンシステンシー指数〔IC=(wL-WN)/(wL-wP)〕は粘性土の相対的な硬さなり安定度を意味する。
    IC≧1 である場合は自然含水比が塑性限界に近いか,それ以下ということになり,比較的安定な状態にあることを意味している。

 

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