(更新日:2018年10月30日)
1.基本方針
擁壁の維持管理は,供用期間中における擁壁としての機能を良好な状態に保ち,災害を未然に防止することを目的として行う。
擁壁が土砂の崩壊を防ぎ,道路交通の安全かつ円滑な状態を確保するための機能を果たし,災害を未然に防止するためには,建設に先立って十分な調査を行い,適切な設計・施工を実施するとともに,供用期間中は,設計で前提としている維持管理の条件に従うなど,常に適切な維持管理を行わなければならない。
擁壁の変状・損傷は,道路交通の安全に直接かかわるものとであり,いったん崩壊が発生すると交通が途絶するだけでなく,人の生命や財産を脅かし,その復旧には多大な費用を要することになる。また,隣接する施設に対しても影響を及ぼす場合もある。擁壁の維持管理に当たっては,これらに十分留意して行わなければならない。
2.記録の保存
擁壁に設計資料,工事記録,点検記録や補修履歴は,できるだけ詳細に記録し保存するものとする。
これらの記録により,擁壁の建設当初の状況及び変状経緯を知ることができ,補修・補強あるいは再構築の必要性を検討する判断資料として,また,補修・補強工事に先立つ調査・設計の際の重要な基礎資料として活用することができる。
3.点検・保守
擁壁の機能を維持するために,点検・保守は適切に行うものとする。
擁壁の機能を保つためには,点検・保守等の日常の維持管理が重要である。擁壁の保守は,擁壁の背面の表面排水工の塵芥等の清掃や裏込め土の草木の除去等を日常的に実施するものである。
擁壁の点検には,防災点検,通常巡回の際に行う日常点検,定期的に擁壁に接近して行う定期点検,集中豪雨や台風の前後,地震の直後等において必要に応じて行う異常時点検がある。
参考文献
・社団法人 日本道路協会:道路土工 擁壁工指針(平成24年度版),pp303-308,2012.7
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補強土壁工法とは,壁面材,補強材,及び盛土材を主要部材とした擁壁の1つです。
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