工事用道路

(更新日:2020年4月8日)

1.はじめに

工事用道路とは,建設区域内において建設資材・機材・機械および編成人員等の運搬・輸送を目的として用いられる道路であり,用途に応じて,幅員・勾配・線形・路盤の厚さ・舗装の種類等を決定しなければならない。

通常の工事に使用する工事用道路には,一般道路から工事現場までの場外の道路と,工事現場内の道路がある。ここでは,後者の工事現場内の道路の計画・設計について要約する。

 

2.工事現場内の工事用道路の計画・設計

 

(1) 事前調査

工事用道路の計画・設計に当たっては,次に示す事項について事前に調査する必要がある。

 

(2) 路線(ルート)の選定

工事用道路の路線(ルート)は,地形・土地の制約・仮設備の配置計画を考慮し,安全で円滑な交通を確保できるよう選定しなければならない。

 

(3) 幅員

工事用道路の幅員は表-1を標準とし,通行車両の種類・交通量・安全性・地形・地盤条件等を考慮して適切に設定する。

表-1 車道の幅員

区 分 車道の幅員 (m)
一車線の場合 3.0
二車線の場合 2.75×2=5.5

 

図-1 幅員構成(一車線の例)

 

(4) 路肩幅員

工事用道路は,安全性等を考慮し,必要に応じて路肩を設けるものとする。路肩の幅員は0.5mを標準とする。

ただし,地形の状況その他の特別な理由によりやむを得ない箇所においては,0.5m以下の適切な値を設定する。

図-2 路肩構造の例

 

(5) 縦断勾配

一般に縦断勾配は,工事用道路の設計速度に応じて定めるものであるが,現場条件を考慮の上,15%程度以下とすることが望ましい。

表-2 工事用道路の幅員,最急縦断勾配,路盤工に対する規定値(参考)

  項目 規定値
1  全幅  3.5m~5.0m
2  全幅   (2車線)  8.0m
3  有効幅員 (砂利敷幅)  3.0m~4.0m
4  有効幅員 (2車線)  7.0m
5  最急縦断勾配  10%~15%以下
6  歩道幅員  0.75m
7  砕石  W=3.0m~4.0m, t=30cm

 

(6) 舗装

工事用道路の舗装は,車両の円滑かつ安全な通行を図るとともに,沿道環境等に配慮して選定する。

 

a) 砕石舗装

砕石舗装の適用に当たっては,工事用道路の沿道周辺環境への粉塵・騒音・振動等の影響に配慮し,車両の通行量・重量および走行速度など検討しなければならない。

写真-1 砕石舗装の施工例

 

b) 仮設舗装(アスファルト舗装またはコンクリート舗装)

工事用道路が民家に近く,砕石舗装では工事用車両の走行による粉塵・騒音・振動等により周辺環境に著しく影響を与える場合や,車両の通行量・重量の条件により,砕石舗装では十分な耐久性が期待できない場合に採用する。

写真-2 アスファルト舗装の施工例

 

c) 敷鉄板

路床が軟弱地盤であったり,坂路の場合は敷鉄板を敷設することが望ましい。ただし,急勾配の場合には,車両のタイヤがスリップしたり敷設した鉄板がずれる恐れがあるため,敷鉄板同士を連結したり,スリップ防止に異形棒鋼を溶接するなどの対策を講じる必要がある。

写真-3 敷鉄板の施工例

 

(7) 計画・設計のための留意事項

工事用道路の計画・設計に当たっては,目的物を安全確実に運搬できるようにすること,また,工事用車両が一般交通および沿道に及ぼす影響が極力少なくなるよう計画・設計することが必要である。

 

 

参考文献

・社団法人日本道路協会:道路土工要綱(平成21年度版),p300,2009.6

・社団法人全日本建設技術協会:改訂版 土木工事仮設計画ガイドブック(Ⅱ),pp1~11,1999.10

 

 

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