(更新日:2020年2月18日)
土工の工期と工事費に最も影響を与えるのが土量の配分計画である。取り扱う土の性質や土量変化率及び工事用道路や土工構造物の工程等の施工条件を適切に把握した上で,発生土量が最小となるような土量配分を計画する。土工の施工計画の作成に当たっては,土量の変化率を用いて土量の変化を推定する必要がある。
(1) 土量の変化率
土を掘削し,運搬して盛土を構築しようとする場合,土は地山にあるとき,それをほぐしたとき,それを締め固めたときのそれぞれの状態によって体積が変化する。土工のために土量の配分をしようとするときは,この土量の変化をあらかじめ推定しないと土工の計画を立てることができない。
これらの状態における土量は,地山の土量との体積比をとった土量の変化率から求められ,次式により定義されている。
L = ほぐした土量(㎥) / 地山の土量(㎥)
C = 締め固めた土量(㎥) / 地山の土量(㎥)
ここに,地山の土量 … 掘削しようとする土量(地山にあるがままの状態)
ほぐした土量 … 掘削したままの土量または,運搬しようとする土量
(掘削され,ほぐされた状態)
締固め土量 … 締め固められた盛土の土量(締固められた状態)
変化率Lは,土の運搬計画をたてるときに用いられる。
変化率Cは,土の配分計画をたてるときに必要である。
(2) 変化率の決め方,用い方
土量の変化率は,地山の土量,ほぐした土量,締固められた土量のそれぞれの状態の体積を測定すれば求めることができる。
変化率の決め方には,簡易な測定方法から試験施工による方法,あるいは既往の工事の結果から推定する方法がある。表-1に,過去のデータによる概略的な土質別の平均的変化率を示す。
表-1 土量の変化率
名称 | L | C | |
岩または石 | 硬岩 中硬岩 軟岩 岩塊・玉石 |
1.65~2.00 1.50~1.70 1.30~1.70 1.10~1.20 |
1.30~1.50 1.20~1.40 1.00~1.30 0.95~1.05 |
礫まじり土 | 礫 礫質土 固結した礫質土 |
1.10~1.20 1.10~1.30 1.25~1.40 |
0.85~1.05 0.85~1.00 1.10~1.30 |
砂 | 砂 岩塊・玉石まじり砂 |
1.10~1.20 1.15~1.20 |
0.85~0.95 0.90~1.00 |
普通土 | 砂質土 岩塊・玉石まじり砂質土 |
1.20~1.30 1.40~1.45 |
0.85~0.95 0.90~1.00 |
粘性土等 | 粘性土
礫まじり粘性土 岩塊・玉石まじり粘性土 |
1.20~1.45 1.30~1.40 1.40~1.45 |
0.85~0.95 0.90~1.00 0.90~1.00 |
参考文献
・社団法人日本道路協会:道路土工要綱(平成21年度版),pp270-272,2009.6
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